The Tribe

トークイベント

初登を巡る対話Ⅲ

中嶋 渉 x 鈴木啓紀

中嶋渉、内省するクライマーの行方。

展示「中嶋渉、内省するクライマーの行方。」に関連するトークイベントの最終回。ゲストには、アルパインクライマーの鈴木啓紀氏をお迎えします。これまでに初登・再登した印象深いルートにまつわるエピソードを互いに紹介しながら、アルパインクライマーとロッククライマーの垣根を越えた対話を目指します。未踏の壁を前にしたとき、クライマーはそれをどう見るのか、両者が育ててきたその精神性に迫ります。

日時|9月25日(水)

19:00〜21:00

会場|THE TRIBE

定員|先着30名

参加費|無料

中嶋 渉|1991年、長野県生まれ。瑞牆山不動沢の開拓で知られる中嶋岳志を父に持ち、10歳からクライミングを始める。2008年、弱冠17歳の若さで大ヤスリ岩にユグドラシル(5.12/2p)、2010年には天鳥岩にホシガラス(5.12c PD/6p)と、存在感際立つ瑞牆山の岩塔に印象的なルートを拓いた。また、自身のルーツともいえる瑞牆山不動沢でも、ボルトの使用を極力排したルート開拓に傾倒。2013年の二十億光年の孤独(5.13b R)を皮切りに、Landmark(5.12b R)、我に返るとき(5.13a)、胎動(5.12b R/X)などを初登。2021年に完成させたHumble(5.14a R)は、それらの集大成とも言えるビッグルートとなった。開拓と並行して、白髪鬼(5.13d)や、Stingray(5.13d)、マーズ(5.13d)、デイドリーム(5.14b)などの歴史的クラックの数々や、ビショップのハイボルダーAmbrosia(V11)の再登など、多様かつ困難なフリークライミングを実践。2024年、瑞牆山摩天岩での2031(5.13b R/2p)の初登が最新の記録となっている。

鈴木啓紀|1980年、埼玉県生まれ。パタゴニア日本支社勤務。幼い頃から続けてきた野鳥観察をきっかけに登山の世界を知り、大学入学後に本格的なアルパインクライミングを開始。20代からこれまで、ヨセミテ、バガブー、ヨーロッパアルプス、パキスタン、アラスカ、ネパールなど、世界各地の山や壁を目指して数多くの遠征を重ねてきた。また国内でも、北アルプスでの冬季継続登攀や黒部横断、剱岳北方稜線の完全縦走などの重厚な登山も実践。

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